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わたしが胃カメラをなぜやるようになったか

わたしが胃カメラをなぜやるようになったか

 

私が胃カメラをやるようになったのは、今から30年以上前、医者になって直ぐ赴任した北海道のある医療施設でです。当時は外径が10mmくらいあったので口から入れるのですが、正直言って興味がなかった私は避けていました。ところが、あるときに事件が起きます。今はごく普通に何の条件もなしに処方されている制酸剤が新発売の際に大変高価であったために、胃カメラをやって胃潰瘍や胃炎があることを確認しないと保険診療として処方が認められない事態となったのです。目の前に押し寄せる患者さんたちは皆、判で押したように胃の痛みを訴えます。毎日、毎日です。それも港町ですから、たいていは船乗りさん。大嵐の中、いつ木っ端微塵になるかわからない真夜中の荒海の中で何時間ももまれているうちに、急性のストレス性胃潰瘍になってしまうのです。今までの古い制酸剤と違って強力で、それを飲めばどんどん胃潰瘍が治ることを彼らは皆知っています。皆、胃潰瘍だからです。

当時、その病院で内科医は私ひとり。院長も内視鏡をやる内科医ですが、今週の週末に退職してどこかへ行ってしまいます。さあ、どうするか。もう内視鏡の出来る内科医は本土から来る予定はありません。どんなお膳立てがあったか知りませんが、土曜日の午後、診療が終わった内視鏡室へ呼び出された私は、その日に退職する院長から手ほどきを受けました。

というよりも、こうやってこうやるんだよとテスト役の患者さんに内視鏡検査をするところを見学しただけです。彼は操作を教えるのでなく、考え方や患者さんの気持ちを懇々と語りました。そして一件見せてくれただけで去っていったのです。

そして月曜日から(!)予定の内視鏡検査が始まりました。おっかなびっくり内視鏡を持つと、威勢のいい船乗りの患者さんから声がかかります。「おーっ、遠慮なしでやっておくれだよ」びびりながら開始すると、彼はのどをゆび指します。のどに押し込むのではないと教えてくれているのです。・・・そこで待て、おれが飲み込もうとするから・・・そう言っているような仕草。指を下へ向けて・・・行け行け・・・と。そーっと軽くカメラを押すとすーーっと入っていきます。胃潰瘍ばかり起こしている患者さんなので、慣れていたのです。

そんなこんなで数件を一気にこなしてしまうと、取り巻いていた看護師さんたちから拍手。彼女たちがうまく行くように患者さんたちを性格等を把握し順番に並べておいてくれたのです。拍手が鳴り止まない、そんな中をわたしは数百人の患者さんの待つ外来へニコニコしながら行きました。そうです。今はそんなことはないかもしれませんが、あきらかに患者さんと看護師さんが新人医師を養成していました。大学病院から赴任してきた何もできない(?)新人医師を、自分達のためになる医師になるように自分達で育てる、そんな気風が医者のいない地域の病院にはありました。看護師さんも当然地元のひとですから、患者さん達と協力して、良い医者を居つかせようと努力していたんだと思います。わたしはそこで育てられた感を強く持っています。

超音波もそこで覚えました。東京に帰るたびに、当時ほとんどなかった超音波検査の教則本を買い込んでは病院の倉庫に置き去りにされた古い超音波装置で自分に当てたり、病棟へ持って行って患者さんにあてたりして没頭していました。またそんな事が出来た自由な雰囲気があった時代でした。今とは違いますね。

ある日、病棟にいる86歳のおばあちゃんからおよびがかかりました。胃カメラで自分の胃がんを覗いていいよというのです。高齢なので、とても進行の遅い、しかし手術することが出来ないほど広く浸潤したボールマン4型胃がんでした。あなた、胃カメラの経験を積もうとして、外来そっちのけで、いろんな患者さんに声をかけているんだって?聞いたわよ。では、私の胃がんを胃カメラでのぞいてごらんなさい、今後のために勉強にしなさい。わたしはがーんと胸を打たれ、どうしようかと思いましたが、見させていただくことにしました。

最後にわたしが、その病院を去るときに、その患者さんは玄関まで出てきて、いつまでもいつまでも見えなくなるまで私の車に手を振ってくれました。

そんなエピソードを思い出しながら、今も胃カメラやってます。今は鎮静剤も使えるようになったし、鼻から入れるので、とても楽になりましたが、やはり、その医師を信頼できないと胃カメラなんて受ける気になりませんよね。楽になったといっても結構つらいものです。だから、何かの足しになればと思い、このページに書かせていただきました。どうぞ、わたしを信頼できるようになったら、私の胃カメラをお受けください。

 

鎮静剤を点滴から入れて鎮静下に行うかどうか、鼻から入れるか口から入れるか、それぞれを事前に選ぶことが出来ます。場合によっては検査開始からも変更することが出来ます。

当院は、5分おきの血圧、心電図、パルスオキシメータ、呼吸モニタ等のマルチバイタルサインモニターを使用して行いますので心配ご無用です。

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