私たちはどうしても病気にたいする知識が少ないために、大きな病気なのではないだろうかと心配するあまり最初から大病院へ診察を受けに行きたくなります。私自身もそうです。ただ、これは現在の国の医療政策に反するものですし、経済効率も悪く、多大な医療費がかかるうえに、大病院でしか診ることのできない病気を診る為に配置された医師や看護師を軽症患者の対応に当ててしまうことになり、日本の医療にとって大きな損失です。病院に過大な負荷がかかっていると言って良いでしょう。ですので、国は医療政策を行って、最初は当院のような町の診療所へ診察へ行ってもらい、医師が診察のうえ、病院で治療を受けることが適切と判断した場合に限り、紹介状を書いてもらい、病院を受診してもらうような医療体制に振り向けようと努力しています。病院自体も長期処方を廃止し、地元の診療所に掛かり付け医になってもらい、日常的な病気はそちらで診てもらうように診療所へ患者さんを逆紹介しています。またそういった患者さんを当院はどんどん受け入れています。場合によっては再入院が直ぐ必要と思われる患者さんが在宅にうつってくることもしばしば遭遇しますが、当院はその見極めを常に意識して腕を磨いています。この患者さんをこのままこの診療所で診ていて良いか？あるいは病院で入院のうえ、精査してもらう必要があるかどうか？その見極めがとても大事だと思っています。それこそ掛かり付け医の役割でしょう。

ですので、病院へ行く前にちょっと待てよ、待ち時間を含めて丸1日かかる病院へ本当に行くべき状態なのか？自分は、と少し考えて、まず信頼できるかかりつけの地元開業医のところへ行ってごらんなさいな。掛かり付け医もそれによって腕を磨いていくのです。信頼の力で。というよりそういう開業医を掛かり付け医としてお持ちなさいな。